玉簫 仲合、同盟会話
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仲合物語
心の声
声に沿って、私は谷間の隣の大石の上でこの吹奏者を見つけた――そこには玉簫が居た。
少し近づいただけなのに、簫の音は急に止まった。
気づいた瞬間、私の目の前に玉簫が立っていた。
玉簫:誰かと思ったら、あなただったのか。
無剣:えっと…邪魔しちゃいましたか?
その、音がとても綺麗で、つい…
玉簫:いや。私はただ簫に興味があるんだ。
無剣:興味がある?
玉簫:昔、琴の演奏者は香を焚き、体を清めてから琴を奏でたという……簫もまた同じことです。
人の一生、心の友に出会えることができれば、それに勝る幸せはありません。
玉簫:だから私は考えている、この動物と虫以外いない谷の中で…
そうだな私の親しい友「知音」とでも言っておこうか、「知音」となってくれる人は居るのかと
無剣:もう…私をからかわないでください、私は簫の吹き方さえ分からない…
これじゃああなたの知音になれないでしょう。
玉簫:おやおや。簫の吹き方、知りたいなら、教えるよ。
その飄々とした顔を見て、彼が一体本気で言っているのか冗談を言っているか私には分からない。
玉簫はまるで私の考えを見抜いたように、すぐに一言を付け加えた。
玉簫:はぁ…あなたは私に吹き方を学びたくないのか?
無剣:それは違います!もし機会があるなら、是非私にも…
彼のがっかりした顔を見た私はすぐに首を振って否定した。
結局、彼は演技をしていたようで、話の途中で玉簫はいつもの顔に戻った。
玉簫:――やっぱり。
あなたは嫌いではないな。
彼にからかわれた事に今更気づいた、でも仕方ない。
彼の簫の音に引きつけられたのは私なのだ。
無剣:でも…音律について私は全く分からないです、もしこれ以上見込みがないと思っても、私を嫌わないでください。
玉簫:どんな楽器を演奏しようが、歌を歌おうが
玉簫:それはただ「心の声を表す」ことなんだ。
玉簫:昔の儒家の聖賢或いは道家の先師たち、琴を弾く時も缶を叩く時も全部伸びやかな気持ちを持っている、それで音楽は自然に作られる
玉簫:だから好きだという気持ちを持っているなら、例え音律がわからなくても大丈夫だ。
無剣:(彼は…私を励ましているの?)
私は彼が話した言葉に感動され、思わず頷いた。
無剣:だから、自分の気持ちが一番重要ってことですね。
玉簫:うん、そうだ。ただ謙虚も自省も悪いことではない…
昔の人は学を持っていない人々に伝えたくなかったように、こういう吹聴の策は簡単に人に教えていなかった。
玉簫:――あなたみたいな性格なら、合うかもしれないですね。
彼にそれだけ褒められるとは思わなかったから、恥ずかしくて頭を下げた。
無剣:いいえ…私は本当にことを言っただけだ。
玉簫:そうなんですか?
彼は笑っているようないないような何を考えているかわからない顔つきで見ている。
どうやら私が困っている様子が興味深いらしい。
玉簫:じゃあ、約束したよ。次暇があったら、私が簫の吹き方を教える。
無剣:宜しくお願いします!
玉簫:宜しくお願いします!
心の曲
無剣:今日もまた――
無剣:あちこちを探した後、ようやく湖の隣であのよく知っている青い上着と白い袍を着っている人を見つけた。
無剣:玉簫、見つけました。
玉簫:無剣、来たか。
彼は振り返り、私に微笑んでくれた。
無剣:前回あなたが教えてくれた曲が吹けるようになりました、吹いてみてもいいですか?
玉簫:ああ、喜んで。
私はその前玉簫と勉強する為に、市で急いで買った竹簫を持ち吹き始めた。
一曲が終わった後、私は少し期待をして玉簫に顔を向けた。
上手に吹けましたか?この曲は沢山練習したんです。
玉簫:まあ、ましにはなったが、技法のレベルは…
無剣:――どう?
なんだか嫌な予感がするけど、私は思わず彼に聞いてみた。
玉簫:ふぅ…めちゃくちゃだな。
無剣:(やっぱり褒められなかったか…)
私がつい頭を下げてため息をついた時、玉簫の笑い声が耳に入った。
玉簫:それとも…お世辞を言ってほしいの?
無剣:…そうじゃない。
無剣:息の使い方だけなら――
玉簫:あなたの息の出し方は安定していて、穏やかで、良いと思います。
無剣:え?確か「籍を吹くことで一番重要なのは息、それと指の動き」と玉簫は言っていましたよね。
無剣:つまり私はもう一番重要な部分をこなすことができていたってことですか?
玉簫:ふん、まあね。
玉簫:しかし、このまま気を抜いてはダメだ、「指を先に動かせば曲が乱れ、息を先に吹けば曲が乱れ」と言われている。
玉簫:この二つを合わせて自分の気持ちを操れることで「名手」と呼ばれる。
玉簫:あなたが学ばなければならないことはまだまだ多い。
玉簫:だが…あなたならきっと大丈夫だと言ってくれると思った。
その時湖畔から吹き抜けたそよ風は、まるで玉簫の言葉のように私の心を揺れ動かした。
無剣:いつか心で奏でる簫の曲をあなたに聴かせる。
玉簫:では楽しみにしています。
心曲知音
いつの間にか、もう夕暮れになった。
立った途端、足がしびれてしまい、転びそうになる。
????:――気をつけて!
突然後ろから声を掛けられた。地面への痛みを予想していたが、
わたしの肩は大きな手に支えられた。
振り向くと、いつの間にか玉簫は私の後ろに立っている。
無剣:ありがとうございます、玉簫。
玉簫:どういたしまして。
無剣:あなた…いつから来たの?まさかずっと前から聞いていたの?
玉簫:まあな
玉簫:ここは静かで景色も美しい、元々はここで吹くつもりでしたが、まさかあなたが先に来るとは。
どうやらあんたの好みは私と合うようですね。
頭の中で突然玉簫が何度も言った「知音」を思い出した。
無剣:玉簫…実は一つ聞きたいことがあります。
玉簫:ほう?言ってみろ
無剣:…あなたがずっと探している「知音」は一体どんな人?
玉簫:もちろん、私の曲の本意が分かる、一緒に簫を楽しめる人です。
無剣:ずっと見つけられないの?
玉簫:もしそんなに簡単に探せるなら、「知音」を探し求めることは私の望みではないだろう
玉簫:――なぜそんなことを聞くんだ?
無剣:もし私が簫を吹くことができるなら、その曲の真意も少しは分かるんじゃないかな。
無剣:あなたと知音になれるかどうかは分からないけど、そうなれるように努力したい…
無剣:でも私にはあなたのように篇が吹けるようになるまでにはまだまだ練習が必要そう…
玉簫:その気持ちだけで嬉しいです。無理してまでする必要はありません。
無剣:無理はしていないよ。これは私が望んでいることだから。
無剣:言ったはずよ。いつか「心」で奏でる曲をあなたに聴かせるの。
玉簫:うん、覚えています。
無剣:けど…あなたが求めている知音は、本当に曲だけが分かってくれる人でいいの?
玉簫:貴方が思っている知音はどんな人ですか?
無剣:分からない…ただあなたが言った「知音」は、
「心と気持ちが通じ合う人」のことかと思った…
無剣:あなたが教えてくれたーー
音は心の声であると。あなたの知音になれる人はきっとあなたの心も分かってくれるでしょう?
無剣:音律や技法よりも、人の心が分かることこそが難しくて大事だと思う。
玉簫:音律や技法よりも、「心の声」か…
玉簫:貴方が言っていることは正しいかもしれません。
玉簫:ずっと知音を探してきた私より、初心者の貴方のほうが分かってるとは。
玉簫:無剣、教えてくれてありがとう。
彼のますます優しくなった声が、風のように私の耳に吹き込まれてきた。、耳がすこし熱く感じた。
無剣:い、いいえ。思ってることを言っただけだ。
無剣:じゃあ、あなたがわたしに本当にお礼をしたいなら、いつか私が名品の簫に相応しい技法を習得できたら、簫を一本くれないかな?
玉簫:もちろんだ
玉簫:いつになるのか分かりませんけどね。
無剣:ーーい、いつか、必ず習得してみせる。
玉簫:そうだな、その日が来るまでゆっくり待つよ
以心伝心
蕭の音はいつも通り冷たくてきれいだが、少し心境の変化が起きたようだ。
休憩のときに森の中で笛を吹いている玉簫:を見つけた。
(たしかに笛の音は前と少し違った…)
いつからか、だんだん玉簫の演奏に秘められた気持ちが分かるようになってきた。
私はいつも持っている笛を取り出し、その曲に合わせようと吹き始めた。
あっという間に演奏が終わった。笛を置き、当然のようにあの碧い目と合った。
玉簫:無剣、笛の音が前と比べてだいぶ変わりましたね。
(先に私の言いたいことを言った。)
無剣:そう?どこが変わった?
玉簫:前の笛の音は安定していたが、どこかに迷いがありました。霧の中を彷徨い、行く先も分からないようでした。
玉簫:しかし今はその迷いがなくなり、朝もやのように青空の中へ消えていきました。
玉簫:まるで浄化されたように、そばにいる人をその清々しい音で惹きつけていきます。
無剣:ーー「そばにいる人」っていうのは玉簫、あなたのことなの?
玉簫:…!
そんなに単刀直入に聞かれるとは思わなかったからか、一瞬固まっていたように見えた。
玉簫:勿論…私もその中の一人です。。
無剣:それで十分。
その答えを聞いた私は、ホッとしたか自分が思っていることを言い始めた。
無剣:さっきあなたの演奏を聞いた時、最初はいつもと同じように感じた。
冷たいけれど貴方特有の淡白さがあって、それは人を安心させるんだ。
無剣:その後すぐ、中にある変化に気づいた…
笛の音が遠くなり、私から離れて行ってしまうように感じた。
玉簫:だから…私の演奏に合わせたのですね?
無剣:そう、腕は全然及ばないけど…
やってみたいと思った。
無剣:私の「心」で奏でた曲は、あなたを引き止めることができるのか…試したかった。
玉簫:貴方はできました…貴方だからこそできたのかもしれません。
玉簫:――なぜなら、貴方は私がずっと探していた「知音」ですから。
私はその言葉に呆気にとられた。彼の目と合わせた瞬間、いつもより暖かい目線を感じた。
玉簫:私の曲の真意を汲み取ってくれただけではなく、簫の音で私に大切なことを気づかせてくれました
玉簫:私はもう一人ではない。
彼は胸元から何かを取り出し、私の手に置いた。
それは一本の精緻を極めた紫竹の簫だった。
無剣:これはまさか…?
玉簫:はい、約束した名品の簫――
私の手作りです。気に入ってもらえると嬉しいです。
無剣:…も、もちろん。
無剣:沢山のコレクションの中から選んでくれるんだと思ってたけど、まさか作ってくれたとは…
玉簫:名品の簫が欲しい君にとって、最も貴重な名品は、
当然私の手作りだと思っていたのですが、違いますか?
玉簫:その笛で私と一曲演奏してみませんか?
無剣:もちろん、喜んで。
紫竹の簫を唇に置き、彼の目と合わせて吹き始めた。
森の中で再び私と玉簫の曲が流れた。重なった2つの簫の音は春川のように、ゆったりと森の中で流れている。
そして徐々に、遠くへと流れて行く…
同盟会話
○○の玉簫:奇門遁甲は一時的に魍魎を食い止めることができますが、堪えることなき攻撃はさすがに防ぎきれません。
○○の玉簫:罠と組み合わせるのはいい考えですが…
○○の玉簫:しかし、誰かに剣塚を鎮座させるほうがよいかと。そうすれば天下の豪傑を率いて敵に抵抗できるはず。
○○の玉簫:私からすれば、剣境にいる真の達人はほんの僅かだと思います。
○○の玉簫:彼らは武芸こそ巧みですが、武の境界にはまだ百年早いでしょう。
○○の玉簫:論剣するにはまだまだ時期尚早ですね。
○○の玉簫:子期が亡くなった後、伯牙が琴をこ壊し、二度と手にしなかったのは、もはや琴を聞かせる人がいないからです。
○○の玉簫:性格がそれぞれ違っても、知音を何人か持っているのは実に幸せなことです。
○○の玉簫:はは。そういうとまたあいつらと本気で一度手合わせをしたくなってきましたね。
判詞
二句目 玉が金を振らしたような音を立てて鳳凰を呼び寄せる
三句目 奇術に巧みで近寄りにくく
四句目 星相に詳しく天の理を知り尽くす
五句目 寒梅落ちる孤独な墓にて酔っ払い
六句目 汐波に撃つて音調が乱れる
七句目 涙脆き人生は千年のように長く
八句目 桃の花が落ちる頃に夢の中で邯鄲の城に戻る
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・子期が亡くなった後、伯牙が琴をこ壊し、二度と手にしなかったのは、もはや琴を聞かせる人がいないからです。
※噛んでる
性格がそれぞれ違っても、知音を何人か持っているのは実に幸せなことです。
はは。そういうとまたあいつらと本気で一度手合わせをしたくなってきましたね。0
削除すると元に戻すことは出来ません。
よろしいですか?
今後表示しない